フィヨルドの海鳥と海の哺乳類
キーナイ・フィヨルドのクルーズは、氷河を見る旅であると同時に、野生動物に会いに行く旅でもあります。リザレクション湾ではラッコが群れで浮かび、夏になると外側の島々は海鳥とトドでにぎわいます。保証されるものは何もありませんが、航路が長いほど、船長が動物を見つけるチャンスは増えます。
フィヨルド沿いに暮らす生き物
スワードの南の海岸では、一度の船旅で驚くほど多くの生き物に出会えます。冷たく栄養豊かな海が魚を育て、その魚が海鳥や海の哺乳類を養っています。フィヨルドの入り口にある島や断崖は、彼らが休み、繁殖する場所です。そうした島の多くはアラスカ海洋国立野生生物保護区に属していて、クルーズ船は海の上からその繁殖地を眺めます。たいていの船は以下の動物のうちいくつかに出会いますが、どれか一つでも約束できる船長はいません。
誰かが動物を見つけると、船長は速度を落として船を止めます。そして船長か野生動物ガイドが見えているものをアナウンスし、船の両側の人が見られるようにします。長い航路ほど海の上で過ごす時間が長く、通り過ぎる島も多いので、チャンスが増えます。航路の長さのガイドで、各航路がどこまで行くかを紹介しています。
外側の岩場のトド
トドは、長めのクルーズでかなり確実に見られる大型動物のひとつです。外洋との境にあるむき出しの岩に上陸して休み、いくつかの島は夏にメスが子を育てる繁殖地になっています。Major Marineの6時間クルーズは、保護区に属するチズウェル諸島のそばを通ります。スワードを出た船は、こうした岩のそばでよくエンジンを止め、寝そべったり小競り合いをしたりするトドを眺めます。
群れには、姿より先に声で気づくことがよくあります。水面を渡ってくる低いうなり声で、風がこちらに吹いていればにおいも届きます。成獣のオスはメスよりはるかに大きく、混み合った岩棚でもすぐに見分けられます。
湾のラッコと船首のイシイルカ
ラッコは、その日最初に出会う動物になることがよくあります。リザレクション湾で仰向けに浮かび、ときにはゆるい群れになって、毛づくろいをしたり、胸の上で貝を割ったりしています。湾内の半日クルーズはラッコを見るのに向いていますが、確実ではありません。
ゼニガタアザラシは静かな場所を好みます。タイドウォーター氷河の近くでは浮氷の上で休んでいて、氷の上の灰色の塊は、氷のかたまりではなくアザラシであることがよくあります。イシイルカは白黒模様のフィヨルドの短距離ランナーで、走っている船の船首波に乗るのが大好きです。進みながら扇のようなしぶきを上げます。現れたら、乗組員の許可があれば船首のほうへ行ってみましょう。
パフィンと海鳥の断崖
ここでは2種類のパフィン(ツノメドリの仲間)が繁殖します。頭に淡い黄色の飾り羽があるエトピリカと、オレンジと黄色のくちばしを持つツノメドリです。繁殖のために上陸するのはおおむね5月下旬から8月にかけてなので、その時期のクルーズがいちばん見込みがあります。それ以外の時期は、はるか沖合で過ごしています。
同じ島では、ウミガラスが岩棚に肩を寄せ合ってぎっしり並び、ミツユビカモメの鳴き声があたりに満ちています。パフィンは小さくてすばしこく、たいていは波の上を低く羽ばたいて飛ぶ黒い影か、断崖の下で群れになって浮かんでいる姿として見えます。旅のなかで双眼鏡がいちばん役立つのはここです。

崖のヤギと浜辺のクマ
ハクトウワシは岸沿いの枯れ木や岩棚にとまっていて、たいてい乗客よりずっと先に乗組員が見つけます。シロイワヤギは、双眼鏡で見るまでは緑の崖の白い点にしか見えません。春には、Major Marineの4時間の春の野生動物クルーズ(約123ドルから)が、回遊するコククジラと並んで、生まれたばかりの子を連れたシロイワヤギを見どころに挙げています。難点は、春(おおむね3月〜5月)しか運航せず昼食が付かないこと、そしてリザレクション湾からアラスカ湾の入り口までの範囲にとどまるため、氷河の末端は見られないことです。
アメリカクロクマが浜辺で餌を探していることもあり、あるGetYourGuideのレビュアーは船から1頭を見ました。クマはおまけと考え、特定の航路を予約する理由にはしないでください。
目撃情報を追うのは船長に任せて
Captain's Choice(約255ドルから)では、当日の朝に船長が天候と最新の目撃情報をもとに、アイアリック氷河とホルゲート氷河のどちらへ向かうかを決めます。そのため7時間を、動物が見られている場所で過ごせます。野生動物ガイドが同乗し、温かい昼食付きです。
クジラについて手短に
ザトウクジラとシャチは多くの人がいちばん見たい動物で、どちらも夏のスワード発クルーズで姿を見せます。どちらもリザレクション湾の中より湾口の外の開けた海岸でよく現れ、6時間や終日の航路のほうがよく出会えるのはそのためでもあります。両社の掲載ページにはクジラの目撃は保証できないと書かれていて、海がずっと静かなままの日もあります。種類や最盛期、潮吹きの見つけ方はクジラのガイドで紹介しています。客船の予定に合わせてクルーズを組むなら、クルーズ船の寄港日プランでタイミングを整理できます。
デッキでは双眼鏡、陸では水族館
Major Marineでは船内で使える双眼鏡を貸してくれます。Kenai Fjords Toursの船では自分の双眼鏡を持参してください。ガイドが崖のパフィンを知らせてくれても、拡大して見られなければほとんど意味がありません。動物が近くにいるときは外に出て、目撃の合間は暖房の効いた船室で温まりましょう。7月でもデッキは風が強く濡れやすいので、役立つ重ね着を持ち物ガイドにまとめています。パフィンとクジラの最盛期は初夏に重なり、シーズンのガイドで月ごとに説明しています。
天候で船に乗れないときや、動物を間近で見たいときは、スワードのAlaska SeaLife Centerへ。保護された動物が回復を待つ、水族館兼海洋動物のリハビリ施設です。家族連れの2つ目のアクティビティにぴったりで、子連れクルーズのガイドでは、いちばん短い船と組み合わせて紹介しています。フィヨルドの奥の氷については、氷河のガイドに専用のページがあります。